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○前田 
どうもありがとうございました。
私どもが今、大阪ないし近畿圏でそういうネットワークについてどういうことをしているかということを簡単にご報告をさせていただきます。
まだ、具体的に固まってきているものはないのですが、今、実はネットワークの企画・提案を持ち出せる場が3つ見えてきました。1つは、大阪府の、私どものような文化振興事業団といったような法人組織で、ホールを運営したり企画を立てたりしている法人館だけでまず話し合ってみようということから始まりまして、大阪府下の17の法人組織が集まりました。まず共同事業をやることについては異存がないんです。そうなると問題はソフトです。もうひとつの問題は、実施する場所です。共同事業が成立しにくい事情というのは、どこか特定の館でやると、共同しているほかのところはどうなるんだと。
ともかく、はじめての共同事業を参加者全員が同一の条件で力を結集できることを実現させようということになりました。そこで、ちょっと豪華な客船をチャーターして、大坂湾上でクルージング・コンサートをやろうということになりました。’97年が音楽生活65周年にあたるという、ヴァイオリンの辻久子さんの記念コンサートと、船内の食事を楽しんでいただこうというものです。こういう企画が今具体的に進行しています。それをやった上で、次はみんなで持ち回れるものをとか、その次は、というぐあいに展開できればと考えています。
もう1つは、大阪府が府民劇場という企画を持っています。これは、大阪府内に43の市町村があるんですけれども、そういったところで大小合わせて各1つずつぐらいは事業が打てるように大阪府と大阪府文化振興財団が幾分かの経費負担をして、府と各市町村が共催する形で府民劇場というのをやっている。これはすでに、5館なり10館なりのネットワーク事業として成立しているのです。そこに新しい企画を持ち込み、複数のホールで共同して企画を練り上げてネットワーク事業とするのは、もう実現できるんじゃないかと議論をしています。
それからもう1つ。近畿圏の公共ホールで、自主企画あるいは自主事業をやっている館の担当者が集まって、なんとか共同の自主事業や、ネットワーク事業を実現したいという「近畿公立文化施設・自主事業研究会」というのがあります。これには40館ほどから事業の担当者が集まり、大ホール分科会、中ホール分科会、小ホール分科会とソフト研究分科会に分かれて、それぞれの自分のところのホールの規模とか志向によって、分科会単位で

 

 

 

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